江口寿史は、1977年のデビュー以来、30年以上にわたって、いつもその時代ごとの〈ポップ〉を形にし続けてきました。幅広く愛されるポピュラリティを持ち、それでいて、時代の先端ではじける軽さを兼ね備えること。『少年ジャンプ』の人気作家であることと、サブカルチャーの最先端に位置することを両立させられる稀有な資質を持つ作家だといえるでしょう。米沢嘉博記念図書館では、川崎市市民ミュージアムなどを巡回する「江口寿史展 KING OF POP」のSide B として、マンガやイラストの原画に加え、初出誌や関連資料を多く用いて、それぞれの仕事が置かれた時代の文脈を見ていきます。江口寿史の〈ポップ〉はどのような時代の気分の中で形作られ、またどのような時代の気分を形作ってきたのか。会期を4期に分けて探っていきます。